先日フリマで出会ってしまったリコーのオートハーフEのメンテナンスを行い、使える状態にしたいと思います。
オートハーフのメンテナンスは意外と簡単なので、是非試してみてください。
フリーマーケットでオートハーフに出会った際の記事はこちらです。
良ければ読んでみて下さい。
現状確認
メンテナンスをするにはまず現状把握が大切です。
私が購入したオートハーフは、シャッタースピードが変化しない、所謂セレン受光素子がダメになった固体だと考えられます。
同年代の他社製カメラでは、セレンが生きている固体が多いのですが…オートハーフではダメになっている物が多いとの情報があります。
品質なのか分かりませんが、残念です…
セレンがダメとなると改造が必要になります。
オートハーフは遮光にモルトを大量に使用しており、年代物なので朽ち果てていました。
これはもちろん交換です。
その他はシャッターが切れるので問題ないと判断しました。
分解
早速分解したいと思います。
まずはサイドにあるストロボ装着部と三脚取り付けぶを外します。
次は逆です。
まずはネジを2本取り外し、裏蓋開閉のレバーも取り外します。
プレートを取るともうひとつネジがあるので、そちらも取ってしまいましょう。
取れましたー
小さなネジを使用しているので、容器に入れてなくさないようにしてください。
2つに分解できるのですが、フロントパネルと本体側はコードが繋がっているので切れないように注意です。
分解は以上です。
改造編
セレンがダメになっているので、改造をした方が使い勝手が良くなります。
とても簡単な方法なので試す価値有りです。
オートハーフを使用する際、ダイヤルを「A」にして使用する場面が多く、これはセレンに頼った撮影方法です。
自動絞りはセレンが生きている場合のみ有効で、ダメになっていれば絞りに変化がありません。
一応マニュアルで他の絞り値を選択出来るのですが、それらではシャッタースピードが1/30に固定されてしまい使い勝手がよろしくありません。
そこで、シャッタースピードを1/125に固定をする改造を施してみましょう。
赤丸部分に注目してください。
今はレバーが右に寄っている状態ですが、これを常に左側へ倒れるように改造をしてあげます。
何でも構いません。厚みがある物を挟んであげるだけでシャッタースピードが1/125に固定されます。
私はセロハンテープを折りたたんで挟んでみました。
これにて改造は終了です。
シャッタースピードの変化、絞りの変化があるか確認をしましょう。
メンテナンス
ファインダー掃除
折角分解をしたので、ファインダー内を綺麗にしてあげる事に。
赤丸がファインダーです。
ネジ2本で固定されているだけなのでちゃちゃっと外してしまいましょう。
取れました。
銀色のプレートが接着剤で取り付けられているので、剥がします。
※プレートは剥がすと高い確率で変形します。元の形に整えることを忘れずに。
後は無水エタノールを染み込ませたティッシュなどでレンズを綺麗にしてあげましょう。
擦りすぎはダメです。優しく、撫でるように…
モルト交換
次はモルト交換です。
モルト除去
多くのモルトは朽ち果て、原型を留めていません。
これを無水エタノールと竹串を駆使して綺麗にしてあげます。
※強い力を加えると塗装が剥げてしまいますが、どうやっても剥げるので後で塗装する事を前提に剥がしましょう。
どうでしょうか。
塗装はかなり剥げましたが気にしません。綺麗になりました。
意外と忘れられがちなファインダー部のモルトです。
ここのモルトもなくなっていました。無水エタノールで綺麗にします。
これで古くなったモルトの除去は完了です。
次は新しいモルトの準備をしましょう。
モルト準備
オートハーフはR1sと違い、大きなモルトを使用するので型紙が必要です。
ネット上で型紙が公開されているので、探してみましょう。
正確なサイズをPCで編集する必要がありますが、無料ソフトで簡単に出来ます。
使用するモルトは習字用の下敷きです。
本物のモルトは高額なので、是非下敷きを使用することをオススメします。
少々不恰好ですが、使えれば問題ありません。
モルトを貼り付ける前に、塗装が剥げてしまった箇所に色を塗りましょう。
模型用のつや消しブラックを使用しました。
問題なさそうです。
ここだけではなく、外装でも塗装剥げが多々あるので一緒に補修しました。
後は両面テープで貼り付ければ完成です。
ファインダー部モルト貼り付け。
忘れがちですがここにもモルトを!
まとめ
1台目のR1sに引き続き、無事修理完了です。
とても小さいカメラなので整備性が悪いと思っていましたが、分解しやすくメンテも簡単!
セレンがダメになっているオートハーフがほとんどですが、今回紹介した改造を施す事で、まだまだ使用できるようになります。
今では貴重なハーフカメラです。修理したら是非使ってあげましょう。