こんな悩みを解決します。
本記事の内容
・ブレーキマスターシリンダーは自分でオーバーホール可能?
・買い替える選択もあり
・マスターシリンダーのオーバーホールに挑戦
・知っておきたいオーバーホール前の注意点
今回からギャグのレストアシリーズ第一弾の開始です。
最初のテーマは、マスターシリンダーのオーバーホール。
オーバーホールと言われると難しく考えてしまう方が多いのではないでしょうか。
本記事では、実際にオーバーホールを行った際の画像を用いて詳しく解説しています。
興味がある方は、チャレンジしてみましょう!
※マスターシリンダーはブレーキに関連する部品です。
作業ミスで重大な事故を引き起こす可能性があるので、細心の注意を払い作業を行いましょう。
ブレーキマスターシリンダーは自分でオーバーホール可能?
難しそうなマスターシリンダーのオーバーホール。
経験がなくても可能なのでしょうか。
マスターシリンダーのオーバーホールは簡単
実はマスターシリンダーのオーバーホールは非常に簡単です。
構造がシンプルで難しいことはありません。
必要部品は基本的にセットで売られている
マスターシリンダーのオーバーホールに必要な部品は基本的にワンセットで売られています。
何が必要なのか考える必要はありません。
怪しい中華製ではなく、純正品を
昔は考えられませんでしたが、最近は中華製の激安互換品が目立つようになってきました。
純正のマスターシリンダーオーバーホールキットは3000円ほどで購入が可能で、意外と安いです。
中華製とそれほど価格差がないので、純正品を選ぶようにしましょう。
マスターシリンダーのオーバーホールに挑戦
早速マスターシリンダーのオーバーホールに取り掛かりましょう。
準備した部品
準備したのはホンダのマスターシリンダーオーバーホールキット。
インナーパーツとも呼びます。
後は確認窓と窓のOリングです。
NS-1用のマスターシリンダーをギャグに流用する為、こちらのマスターシリンダーをオーバーホールします。
インナーパーツ:45530-MN9-305
確認窓:45515-MA6-006
確認窓用Oリング:45516-MA6-006
<オーバーホール作業。分解編
ピストン径11mmのマスターシリンダーです。
NS-1用はリザーブタンクに角度が付いおり、径も同じなのでギャグへピッタリです。
フタ、ダイヤフラムは再利用可能。
内部に若干の腐食が見られるが問題ないレベルです。
簡単にバラせるところはサクッとバラしてしまいましょう。
ここからマスターシリンダーの心臓部。インナーパーツの取り出しです。
外部からはそれ程劣化しているようには見えませんが…
ブーツを剥がすとゴミが溜まっていました。
ここはグリスを塗るので、ブーツがあっても汚れやすくなっています。
ブーツを外し、試しにピストンを押してみてください。
引っかかり等無ければまだまだ使える状態。
今回は若干の引っかかりを感じたので交換して正解。
スナップリングを取り外し、ピストンをペンチなどで掴み思いっきり引っこ抜きます。
スナップリングの取り外しには専用工具のスナップリングプライヤーを使用しましょう。
先端が細いものがおすすめです。
取れました。
インナーパーツです。
カスや汚れが大量に溜まっているのが確認できます。
内部にもカスが残っているので、組付け前にしっかり洗浄をしてください。
オーバーホール作業。組み立て編
インナーパーツの確認です。
何故かリングが1個しか写っていませんね…
リングは2種類あります。
穴径が違うので、径に合った場所に取り付けましょう。
この画像の場合、赤丸が大きく、青丸が小さくなっているのが分かると思います。
私はいつもシリコングリスを塗って取り付けていますが、CCIのメタルラバーMR20を使うのが良いと思います。
シリコングリスでも今まで不具合が起きたことはありませんが、おすすめはメタルラバーです。
リングには向きがあるので注意してください。要画像参照
スプリングを取り付け。
ピストンをマスターシリンダーに差し込みます。
ワッシャーを入れ、スナップリングをはめれば完成です。
最後にブーツもお忘れなく。
確認窓交換。番外編
今回は確認窓の劣化が激しかったので同時交換することにしました。
安い部品なので出来れば同時交換推奨です。
窓とOリング。
ホンダの確認窓は他社メーカーのマスターシリンダーにも流用が可能です。
窓を破壊して取り外し、キレイにします。
小さめのクランプがあると非常に便利です。
アルミ板などで挟み込んで圧入します。
以上でオーバーホールは終了です。
とても簡単な作業です。
買い替える選択も
マスターシリンダーは買い替えるという選択肢もあります。
何故でしょうか。
放置車両の場合、再利用できない場合が多い
長期間放置された車両はマスターシリンダーの再利用が出来ない場合が多いです。
ガレージなどで保管されていれば使える事が多く、屋外で放置されているとだいたい使えなくなっているます。
ブレーキフルードの劣化、腐食の誘発
再利用できなくなる理由は、マスターシリンダーの劣化です。
マスターシリンダーはアルミで出来ており、腐食しやすい材質です。
外に放置されていれば腐食の進行が早くなるのは当たり前。
ブレーキフルードにも実は原因があり、塗装を侵しアルミを腐食させてしまいます。
ブレーキフルードの劣化が原因でピストンの固着と腐食で使い物にならなくなるわけです。
再利用は潔く諦める
マスターシリンダーの外観が白く粉を吹いていたら捨てましょう。
もう使えません。買い替えをおすすめします。
知っておきたいオーバーホール前の注意点
オーバーホール前に知っておいてもらいたいのは、他車種用が取り付けられている可能性があるという事です。
古いバイクは何度も再生されている可能性があり、特にマスターシリンダーはオリジナルでない場合が多々あります。
まずはネットなどを駆使し、純正のマスターシリンダーなのか良く確認を行ってください。
まとめ:できればオーバーホールを!再起不能なら購入で。
本日はマスターシリンダーのオーバーホールを紹介、解説いたしました。
非常に簡単な作業だったと思います。
マスターシリンダーは定期的なオーバーホールが必要です。
これからもバイクに乗り続けるなら、身に着けておいて損はない技術です。
細心の注意を払い、挑戦してみてください。